教育実習の心得 気をつけたいこと

控えた方がいいこともある

私が担当したわけではありませんが、学校で受け入れた実習生に何でも「できます!」「早く授業をやらせてください。」というやる気満々な方がいました。

実習期間にちょうど校内研修の研究授業が行われ、実習生も参観して放課後の事後研修(研究討議)に参加していました。その実習生は校内の先生たち以上に授業や板書についての意見(改善点)をたくさん出し、「実習生なのに物怖じせず、すごいなぁ。」とあっけにとられるほどでした。ですが、事後研修を終えて職員室に戻る際、大ベテランの先生が私に言いました。

「実習生の立場であれはだめだ。」と。

「そもそも実習生というのは勉強をさせてもらっている立場である。クラスにどんな子どもたちがいるかを一番わかっているのは担任であり、その担任が子どもたちにとってベストな方法であると考え行った研究授業に対してあれほど意見するのは失礼である。授業は机上の空論ではない。」と。

なるほど、そう言われるとそうだなと思います。研究なのだから良いところだけ褒めて終わるよりも様々な意見が交わされる方が勉強になるとは思うのですが、問題は"実習生の立場で"発言することにあるのかもしれません。思い出してみると、いくつも指摘を受けた授業者の先生はたじたじ、私も含めその場にいる先生たちがヒヤヒヤした様子でその受け答えを見守っているのが伝わってきました。

研究授業に限らず、普段の授業であっても人の授業を見ていると「もっとこうすればいいのに。」「なんでこうしないんだろう。」と思うことが多々あると思います。ですが授業を見るのとやるのとでは大違いで、実際にやってみると細かいところまで気を配れなかったり思い通りにいかなかったりするものです。授業の進行を考えながら個別に指導したり子どもの質問に答えたりする授業者とは違い、参観者がいろいろと見えるのは誰にも邪魔されずにただ授業を見ていられるからです。参観する授業がどんな授業であったとしても、そういうことを頭に置き、敬意を払って授業を見せていただくという姿勢を忘れてはいけないと思います。

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