教育実習に向けてどんな姿勢で臨むべきか大学でもお話はあると思いますが、私目線で実習生の態度について思い出して考えてみました。
印象に残った実習生の行動
気持ちよく挨拶してくれる
職員室に顔を出し「おはようございます!今日もよろしくお願いします。」「ありがとうございました。お先に失礼します!」と明るく挨拶できること。当たり前のことですが、これができる人はやっぱり印象がいいです。毎日の仕事で疲れきった私には出せない爽やかさが羨ましく、元気すらもらえる気がします。私の方が見習わなくてはいけないと思わされます。校内の教職員、子どもたち、誰に会っても自分から挨拶するのは教員であっても変わらない基本の「き」です。
子どもとたくさん遊ぶ
まずは休み時間も一緒に遊んで子どもたちを知ること
これは絶対に言われると思いますし、ほぼ全員意識していますよね。走り回る体力が無くなってきた先生、時間に追われる先生に代わって、一番活躍できる部分です。私はいつも休み時間にクラスの子たちを連れて運動場で元気いっぱい遊んでくれる実習生に「ありがとう~!」と感謝しています。
子どもたちと遊ぶことで何が得られるのか。教育実習は短い期間に子どもとの関係を築き、研究授業をしなければなりません。授業を進めるには子どもとの信頼関係が必要ですが、担任のように「子どもから見てそもそも強い立場」にあるわけではなく、しかも突然入ってきた他人であり、授業や生活面での指導を通じて重ねていく信頼もすぐには得られません。また子どもたちの個性を知らなければ本当の意味で良い授業はできません。
子どもたちとの信頼関係を築くにはやっぱり遊びが一番です。自分たちと同じ目線で一緒に楽しむ姿に仲間のような親しみを覚え、自分の話をしっかり聞いてくれたり遊びの中で起こるトラブルに真剣に向き合ってくれる、そういう体験を通して先生(実習生)を信頼していくのです。声の大きい子や甘え上手な子の誘いにばかり乗るのではなく、クラスの様々な子たちの遊びや雑談に入っていきましょう。授業では見えない子どもの姿や個性が見えてきます。そうやって築いた関係性が、最後の研究授業でも生かされます。大好きな先生のために子どもたちも一生懸命応えようと頑張ってくれます。
気になる子どもの様子を担任に報告
実習生が子どもたちと積極的に遊んでくれるだけでも有難いですが、その中で気になる子どもたちの様子をきちんと報告してくれるととっても助かります。誰と誰がトラブルになってどんな話をしたとか、話し合いをしたけどまだ不満が残っていそうだとか、ある子の様子がいつもと違っているなど小さなことでもです。時間を置いて大きなトラブルになることもあるので、こういう見えない部分の子どもたちの情報は担任とも共有しておきましょう。
授業中は机間巡視
実習生用に教室には机と椅子が用意されます。授業中も疲れた時や授業内容をメモする時など自由に座ってもらって構わないのですが、授業中にはあまり使わず机間巡視を頑張ってくれる実習生はやはり印象が良かったです。教室の横の方に立って子どもたちの反応(表情)を見たり、困っている子どもの補助をしたり、ノートに書き込んでいる内容を見たり、姿勢が崩れたり手遊びしている子どもに声をかけたり、場合によっては先生と一緒に丸つけをしたり…机間巡視をしながらできることはいろいろあります。子どもは褒められるのが大好きなので、気づいたときにはプラスの声かけをしてあげましょう。
独自のアイディア
2年生のクラスで実習生に漢字の授業をお願いしたときのこと。特に上手にかけた字には1つだけ小さな花丸をつけてあげるということをしてくれました。ちょっとした工夫ですが、実習生にもらうその特別な花丸が欲しくて、クラスみんなが丁寧に書くことよう意識することがありました。担任がやっていないことでも「こういうことやってみたい。」と思う実習生のアイディアは、どんどん提案してみるといいと思います。
提出物は早めに出す
挨拶と同じく提出物の期日を守るのは基本の「き」です。その上で、指導案などの書類を早めに提出できると「素晴らしい!」と思います。早くにもらったからといって早くに返却できるわけではないのですが、忙しい時間の合間に実習関係の書類に目を通す先生としてはギリギリに出されるとちょっと面倒です。毎日いっぱい遊んで、授業をして、日誌を書いて、へとへとになるほど頑張っている実習生の方には大変でしょうが、そういうところからも実習生のやる気をひしひしと感じます。
一人一人へのメッセージ
これって大学生の間ではやるのが当たり前みたいになっているのでしょうか。私が担当した実習生はお別れ会の場でクラスの子どもたち一人一人に手作りのメッセージカードやお手紙を渡していました。「これを作るのは大変だったんだろうな~!」と実は私もびっくり。私は教員免許を社会人になってから通信制で取ったので、誰かとそんな情報交換をすることもなく実習に臨み、最後のサプライズも用意せずに終わってしまいました。
私自身がそうなのでサプライズなど無くても別に何とも思いませんが、それを受け取った子どもたちはみんな本当に嬉しそうでした。泣いて別れを惜しんでいる姿や、実習が終わってもずっとお道具箱に大切に入れてあるのを見ると、「とても楽しい時間を過ごしたんだな。」「いい思い出になったんだな。」と感じます。無いといけないわけではないけれど、あるとさらにお別れ会が盛り上がる。やっぱりお手紙というのは人をあったかい気持ちにさせてくれる素敵なプレゼントなのだと思います。
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